|
10.競争戦略の構築 |
| ●自社の強みと競争上のポジションを基に、競争他社に対する競争戦略を明確にします。 |

| 競争戦略の類型 | |
| コストリーダーシップ戦略 |
・市場規模が大きな業界で、競争優位をコスト面で実現しようとする戦略 ・市場拡大期に経験効果や規模の経済を充分に活用し、コスト削減効果を最大限のものにし、安定成長期においてコストの優位性を継続的に維持する。 |
| 差別化戦略 |
・市場規模の大きな業界において、提供する財(製品・サービス)にユニークな価値を付与し、継続意的な優位性を実現しようとする戦略 ・差別化戦略には三つの要素が必要となる。 @顧客価値の創造:顧客にとっての価値が差別化されていること A知覚価値の提供:顧客が差別化された価値を認知できること B模倣への防衛:差別化された価値の模倣が競合にとって困難であること |
| コスト集中戦略 | ・広範な市場において、特定の顧客セグメントや商品セグメントに領域を選択特化して、経営資源を集中特化し、特定のセグメントでコストリーダーシップを発揮する戦略 |
| 差別化集中戦略 | ・広範な市場において、特定の顧客セグメントや商品セグメントに領域を選択特化して、経営資源を集中特化し、特定のセグメントで提供する財の差別化を発揮する戦略 |
| コスト優位の要因 | |
| コスト優位の推進要因 | 生産規模拡大に伴うコスト低減を導く経済性の効果 |
| 習熟度向上により、累積生産量が増加するにつれ一定の割合でコストが逓減する経験効果 | |
| 自社設備の有効活用によるコスト低減 | |
| 内部、外部との価値連鎖による連結関係が強化されることによるコスト削減 | |
| 自社の他の事業単位との協力による価値活動の結果もたらされるコスト低減 | |
| 他社に先駆け、新しい分野に事業進出し、他社が参入するまでに規模の経済性や経験効果を活用して、コスト低減を図ることで、他社の追随や参入を防御するという事業進出へのタイミングもコスト優位を導く要因となる。 | |
| 蓄積されたノウハウの活用によりコスト低減を導く | |
| 製品設計・仕入・生産・流通・販売などの価値連鎖を生み出すための最適立地もコスト低減をもたらす要因となる。 | |
| 政府の規制や優遇制度などを効果的に活用できることもコスト低減をもたらす要因 | |
| コスト優位の構築 | 製品設計・仕入・生産・流通・販売などの価値活動についてコントロールをすることでコスト低減を図る |
| 製品設計・仕入・生産・流通・販売などの価値連鎖を生み出す活動について、さらに効率的な方法を探究し、採用することでコスト優位を導く | |
| コスト優位を持続させる施策 |
規模による競合他社の参入を防御する障壁を築く
|
|
技術、生産、販売などに関する習熟はノウハウとなり蓄積されるので、他社が簡単に追随できない。
|
|
|
自社の他事業との相互関係を結び、シナジー効果を高めることで、他社への参入障壁を高くする。
|
|
|
特異な製品や製造技術を開発する技術力を選択採用することで、特許や秘密により保護することで持続力のある競争優位を築く。
|
|
| 課題 | ニーズが多様化して、規模の経済を支える大量生産の機会が減少してしまう。 |
| 技術革新のスピード化により、低価格代替品の出現の早期化などの要因で、過去の投資や習熟が無駄になってしまう。 | |
| 新規参入者が、模倣や最新設備による低コストで経験を修得し、低コストで市場攻撃を仕掛けてくる。 | |
| コスト低減に気をとられ、製品や市場の変化を見落とす。 | |
| 差別化優位の要因 | |
| 差別化優位の推進要因 | どのような差別化を、どのようにするべきかの政策選択 |
| 製品の設計・仕入・生産・流通・販売などの価値活動の連鎖において特異性を生み出すこと | |
| 製造特許、製品特許、商標権などの制度による保護活用 | |
| 差別化優位の構築 | 特異な技術力を駆使した部品製品などを供給することで、買い手の製品設計に標準品として組み込むなど、自社の価値連鎖が買い手の価値連鎖にインパクトを与えられるように価値連鎖の間に連結関係を構築する。 |
| 買い手がそのニーズを満たす方法を推測又は判定をするための価値シグナル(広告、評判、ブランドなど)をつくる。 | |
| 買い手の価値をつくる購買基準に対して、製品の品質、特長、納品時間、技術支援などの特異性を生み出す。 | |
| 差別化優位を持続させる施策 | 買い手がどれくらい長くその価値を認めてくれるか、競争相手がどれくらいの期間にわたり差別化を模倣しないかで差別化の持続力が決まる。 |
| 差別化の中に製品の技術的な面や、製品特長、ブランド力、販売方法などのノウハウによる参入障壁が存在する場合 | |
| 情報システムなどの場合、売り手が切り替わる場合、従来のシステム設計の変更とそれに伴うコストが必要なように、差別化と同時に、買い手が売り手を切り替えるコストを高めておく場合 | |
| 課題 | 差別化戦略は、通常チャレンジャーがリーダーを攻撃する戦略として用いるとされているが、リーダーはチャレンジャーの差別化に対抗して、その差別化を模倣して同質化することで、チャレンジャーの差別化を無効のものとしてしまう。 |
| 顧客のニーズが高度化して、従来の差別化が魅力を失う。 | |
| コスト面で競合他社に大差をつけられる。 | |
| 集中化優位の要因 | |
| 集中化優位の推進要因 | ターゲットした市場セグメントにおいてコスト優位に集中する戦略 |
| ターゲットした市場セグメントにおいて、製品・販売・サービスなどで差別化を図る。 | |
| 集中化優位の構築 | セグメントの魅力度、セグメントに対する脅威、自社の資産活用度などを考慮して、競争すべき対象市場のセグメントを適切に選択する。 |
| 集中化を持続させる施策 | 経営資源の質量とも豊富な広いターゲットを持つ競争相手(リーダー)の同質化戦略に対抗するための製品の技術力や販売方法、顧客支援などの特異性の構築 |
| 追随する模倣者(フォロワー)い対する製品の技術力や販売方法、顧客支援などの特異性の構築 | |
| 技術開発などによる代替品などの出現に対する製品の技術力や販売方法、顧客支援などの特異性の構築 | |
| 課題 | 狭いターゲットに集中するために、セグメントの需要が減少していくなど構造的に魅力を失う。 |
| 競合他社が戦略セグメントの中をさらに細分化するなどすることで、セグメントの魅力を失う。 | |
| 技術開発のスピード化により、競争他社の追随で、顧客の製品に対するニーズの差が縮まり、競争力が失われる。 | |